「オフライン編集」「オンライン編集」とは?その違いについて解説

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フリーのビデオグラファーとして、現在は都内で活動しているハルトです。

常駐フリーランスなどを経験し、映像制作に必要な多くのノウハウを学んできました。

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はじめに このページでは、実績掲載可能な映像作品をご紹介しています。 一部ディレクションのみ担当した案件や大きな案件は、ネット上で実績公開出来ないものもありますので、気になる方はお声かけください。 安里コーヒー農[…]

中田 暖人:サムネイル画像

今回は、編集の現場で役に立つ「オフライン編集」「オンライン編集」について解説していこうと思う。

規模の小さい案件では、実際に活用する機会は少ない。

しかし、知っておくと非常に有利なので、映像クリエイターを目指すなら、この機会に覚えておこう。

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前提知識

中田 暖人:デスク

この「オフライン編集」「オンライン編集」とは、主に下記のような案件に組み込まれるワークフロー(制作工程)のことを示す。

  • テレビ業界
  • 映画
  • MV
  • TV-CM
  • WEB-CM

YouTubeなどで独学で学んでいると、なかなか聞き慣れない言葉ではある。

しかし、映像制作の世界(主にポストプロダクション)では、今でも使われるワードだ。

「オフラインエディター」「オンラインエディター」という肩書きを持った映像クリエイターも多く存在している。

ネットワークとは別

「オフライン」「オンライン」と聞くと、そのワード的にネットに関することをイメージするが‥。

こと映像制作においては全く別の意味合いで使用されるので注意しよう。

オフラインという用語は、「別のデバイスの直接制御下にない」(自動化)という意味のコンピューティングおよび電気通信業界に由来します

The term offline originated in the computing and telecommunications industries, meaning “not under the direct control of another device” (automation).

引用:Offline editing

成り立ち

フィルム時代、オリジナルのデータへ影響を与えないために、素材をコピーし別のネガを使用し編集していたのが始まりとされている。

そこから、派生し「Premiere Pro」で編集→「DaVinci Resolve」でカラー補正といった、専門的な編集ソフトを使いワークフロー(制作工程)分ける事として浸透してきた。

オフライン編集とは?

中田 暖人:動画編集者

では、肝心の「オフライン編集」について解説するが、簡単にいうと「仮編集」になる。

データの重い素材の場合はプロキシを作成したりと、次の工程で編集がしやすいような調整を行うこともある。

この時点では、エフェクトなどは作り込まずに、あくまでも「構成を作る」といった部分にフォーカスする。

役割は作品全体のベースを作ること

撮影素材がまとめられた「スクリプト」を元に、カット編集などで映像を繋いでいき、全体の尺間・テンポ感などを調整していく。

いわゆる、起承転結に沿ってストーリーを構築するイメージだ。

編集した内容は、そのまま世の中に出ることはない。

しかし、この「オフライン編集」で作品全体としての良し悪しが決まってしまうため、非常に重要なワークフロー(制作工程)と言える。

データの共有

主に「Premiere Pro」「Avid Media Composer」などで編集され、AAF・OMF・XMLといった形式で、次のフロー(オンライン編集)へと展開される。

なぜ、こういったデータ形式かというと‥。

編集内容によって、使用する編集ソフトが違ってくる場合があるからだ。

例えば、カラーグレーディングは「DaVinci Resolve」、VFXなどは「After Effect」といった具合に、それぞれ向き不向きがある。

そのため、互換性のある形式でデータを共有する。

※現在は編集ソフトの質も向上しており、場合によっては一つのソフトで完結することも多い。

編集内容の共有

オフライン編集後は、編集した内容をエクセルなどでまとめて、それぞれの編集者に共有する場合もある。

  • 〇〇〜〇〇までのカットを使用しています。
  • クロスディゾルブのトランジションを使用しています。
  • 〇〇%ズームしています。
  • パンもしくはチルトしています。

共有内容としては、このようなイメージだ。

とはいえ、このあたりは制作会社や案件によって異なるので、一応そういった例もあるという認識でOK。

プレビュー(試写)

オフライン編集の内容は、次のフローへ移る前に監督やディレクターのチェックが入る。

この時点で「ここはもう少し削って」などの指示が入り、作品全体としての方向性が更に定まっていく。

チェック完了後は「ピクチャーロック」といい、尺などの変更は行わないようにするのが基本だ。

余談だが、この「試写」のことは、プレビューラッシュといった業界用語で言い換えることも多いので覚えておこう。

ここまでのまとめ

「オフライン編集とは、簡単にいうと仮編集のこと」

「構成を作ることがメインの役割」

「編集後は各フローへ共有するための注意点がある」

オンライン編集とは?

中田 暖人:動画編集者

では、次に「オンライン編集」について解説していこう。

オンライン編集とは、カラー補正・VFXの合成・テロップの挿入・効果音の挿入などを行う「本編集」のことをいう。

役割は作品を仕上げること

オフライン編集で作成されたデータをもとに、作品を世に公開できる状態まで仕上げる。

例えば、オフライン編集の時点ではカラー補正がされておらず、いわゆる眠たい画の状態なので‥。

「カラーコレクション」で映像をフラットな状態まで戻し、作品のルックを作り込む「カラーグレーディング」を施したりする。

作品公開まで

オフライン編集と同様に、監督やディレクターのチェックが入り、OKが出れば作品は完成となる。

細かく編集者が分けられることもある

  • VFXデザイナー
  • 3DCG
  • カラリスト
  • SE、BGM

大きな案件だと、上記のように編集工程によって編集者が分かれていることが多い。

ここまでのまとめ

「オンライン編集とは、簡単にいうと本編集のこと」

「作品を作り上げることが役割」

定義の意味合いは変わりつつある

中田 暖人:カメラを持つ女性

少し前まで、高度な編集をするには、相応の機材スペックが必要とされていたため、オフライン編集(仮編集)オンライン編集(本編集)のフローを分ける必要があった。

しかし、今となっては低コストのマシンと一つの編集ソフトで、ほぼ全ての作業が完結することも多いのが現状だ。

例えば、2020年に発売されたM1チップ搭載のMacは‥。

Windows PCのミドルクラスと同等かそれ以上の性能を兼ね備えており、10bit 4:2:2の4K映像がネイティブで動作するほど進化した。

ITmedia NEWS

小寺信良さんのM1 Mac連載第2回は、サードパーティーでありながらいち早くM1ネイティブ対応を果たしたビデオ編集ソフト…

そのため、オフライン編集・オンライン編集の定義は、変わりつつあるのが現状だ。

場合によってはフローを分けないこともあるし、実際に僕のような撮影〜編集までをワンオペでこなすような案件だと、そもそも分ける必要性もない。

知っておくと有利

とはいえ、概念として知っておくと非常に有利なので「こういった流れなのか」程度でも覚えておくと強い。

そして、よりクオリティが必要とされるような案件になってくると、複雑にワークフロー(制作工程)は分かれていく。

映像クリエイターとして、ガッツリと仕事をしていきたいなら間違いなく知っておくのが良いだろう。

最初に作り込みすぎることを避けるためにも

よく、初心者の映像クリエイターが陥ってしまう事として「テンポの悪さ」などが挙げられる。

これは、最初に映像を作り込みすぎてしまうのが原因だ。

1カット目からグレーディングをしてみたり‥、重いエフェクトを当ててみたりと‥。

結果的に、作品の全体像が見えなくなりテンポが悪くなる。

仮編集→クライアントチェック→本編集→納品

といったフローで制作すると、余計な修正も少なくて済むので、概念として理解しつつ普段のワークフロー(制作工程)に取り入れていくことをオススメする。

最後に

中田 暖人:映像クリエイター

今回は「オフライン編集」「オンライン編集」について解説してきたが、制作会社や案件によって細部の工程は変わってくるので‥。

あくまでも「そんなフローで制作されてるのか‥」といった程度で理解しておき、臨機応変に対抗していこう。

また、主にポストプロダクション(ポスプロ)などで、使用される言葉なので独学ではほとんど聞かないと思う。

実際、僕も常駐案件で映画制作に関わった時などに、初めて聞いた言葉だった。

YouTubeなどで映像制作を学んでいくと、どうしてもこういった専門的な部分は学びにくい。

なので、もし本当に映像を仕事として生きていくのであれば、一度制作会社で経験してみるのも良いかもしれない。

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中田 暖人:DaVinci Resolve編集画面
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